前の仕事でXBeeを試していた。
ちょっとしたメッセージを送るのに便利なので提案したのだが、実際に設置したら電波が届かない事があるという。
設置場所は地上と、そこから上100m前後。試しに同程度のビルの上と下でXBee-PROでレンジテストしてみたところ、特に問題は無さそうだった。この時は、ビルの上ではXBeeのループバックを手で持ち、下からはパソコンでX-CTUでチェックだったと思う。ところが実際に設置して上下で試すと30mも届かないという。違いはアンテナがチップアンテナからダイポールアンテナに変わったことと、手持ちではなく、あるところに固定で設置された事だ。
代替品を求めて他の製品のメーカーに訊ねたり、電波に詳しい代理店の方に伺ったりしたところ、次のような原因が考えられるとのこと。
- マルチパスがあるのではないか。
- ダイポールアンテナでは指向性がおおむねドーナツ型になるので、上下の配置では両方とも穴にあたり、電波が非常に弱くなっているのではないか。
- そもそもホイップアンテナやダイポールアンテナでは片一方に地面があることを仮定している。上の方に設置したXBeeでは地面がないのでアンテナとして機能していないのではないか。
その後深くは追っていないが、twitterで距離が出なくて困っている方をお見かけした。私だけがこういう現象に遭遇しているのではなさそうだ。
なお、地面がないので上手く動作しない場合の対策として、18cm程度の長さ(2.4GHzの波長に相当)の金属板を指向性の軸に対して下にしたら、もしかしたら上手く行くかも、というアドバイスを得た。試せていないのであくまでメモとして記述しておきたい。
さらについでに、アンテナ毎の指向性についての説明と実測値については次の文書が参考になる。